2009年09月30日

スポーツ大陸:己に克て〜剣道・高鍋進〜【取材記者コメント】

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“左拳と心”を巡る終わりなき戦い
美しい素振りをする剣士。最初の取材で受けた、高鍋進の第一印象だった。

 武器は、わずか10分の1秒で打ち抜く「最速の面」。聞けば、学生時代の日々の朝げいこに始まる猛練習が土台だという。しかし、限界を超えた努力は、剣士の命・左腕の故障を引き起こす。手首の酷使による骨のえ死。切断した骨を固定するための金属板と4本のネジは今も埋まっている。さらに去年末、竹刀が握れないほどのしびれのため、再び左腕を手術。しかし高鍋はその後も、時に5000本の素振りを自らに課した。一振り、一振り、息を止め、歯を食いしばる、その素振り。「最速の面」は、大きな代償の末の一撃。研ぎ澄まされた美しさの奥に、底冷えするすごみが見えてきた。


「手元が上がる」癖。それは、力を出し切れない「弱い心」だという。
※※※これは、奥が深い・・・・・・・・・・・・・・・・。※※※


 「最速の面」を武器にした攻めの剣道が高鍋の真骨頂。しかし、3年前の世界選手権で高鍋がアメリカ選手に敗れ、日本初の団体戦の王座陥落の一因となって以来、その剣道に迷いが生じていた。それを恩師に喝破される。「左拳は心。手元が浮くということは、心が浮いているんだ」。相手の攻めに対し、手元を上げ守ってしまう。なぜ自らの剣道を見失っていたのか。「もう負けたくない、打たれたくない」。恐怖として心に刻まれた、3年前の屈辱的な敗戦。最後の世界選手権に向け、自らの心と向き合う日々が始まる。


3年の歳月を経て、あの敗北は、「屈辱」から「成長の糧」に。

 取材の節目で思い出したのは、サッカー日本代表のオシム前監督にインタビューをした時の言葉。「人生は敗北の連続だ。しかしそこから学ぶことができれば、それは敗北ではない」。どのような結果であれば、敗北ではなくなるのだろうか。
 それは日本が優勝を決めた後の試合に訪れた。前回大会で敗れた選手との再戦。高鍋は、手元をあげなかった。結果は引き分けだったが、対戦相手は「恐怖を感じた」というほどの、攻めの姿勢。これが「きっかけ」だった。
 2週間後、高鍋は全日本選手権に次ぐ大きな大会で会心の剣道を見せる。一昨年の全日本覇者・寺本将司、昨年の覇者・正代賢司を連破。決勝でも、世界選手権で活躍した木和田大起に「最速の面」で一本勝ちし優勝。「負けることの恐れよりも、相手を攻め崩す気迫が上回っていた」。3年前の敗北は「屈辱」から「成長の糧」に昇華した。高鍋が大切にする言葉「一意専心」。う余曲折を経て、自らの剣道を見つめ直した33歳の剣士、修行の果てに何が見えるのだろう。




posted by mm at 13:04| ☁| Comment(1) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
この映像を見てみたいですね。
Posted by ぜひ at 2011年08月08日 14:25
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